日本社会福祉弘済会の社会福祉助成事業実践研究の助成金をいただいて、高齢者虐待関連の実践研究をしています。
テーマは「高齢者虐待対応における課題の整理とその解決方法の検討」です。
栃木県内の市町と地域包括支援センターの皆様から「高齢者虐待対応の困難」を軸にお聞きし、高齢者虐待対応の課題を整理しようと考えています。
7月1日付けで、皆様にアンケート調査を送付させていただきました。
記述の多いアンケート調査でお手数をおかけすることと思いますが、どうか、ご協力をお願いいたします。
地域包括支援センター職員として高齢者虐待対応の現場にいたときには、高齢者虐待の個別事例にまつわる課題に多く接してきました。
この事例でうまくいった対応方法が、次の事例ではうまくいかない・・・なぜだろう。
と、考えたとき、事例ひとつひとつに違う生育歴の違いや現に表出している課題の違いなどから、同じ手法が同じ効果をうまないことが分かりました。
しかし、高齢者虐待事例を何件も対応していく内に、個別事例に普遍的に横たわる課題の存在を体感するようになりました。
課題は違うし、個別事例の特徴は違っていても、どうも、家族が(特に養護者が)社会的につまずいている背景は似通っていたのです。
社会的なつまずきへの対応は、この事例の方法が次の事例で使えることもありました。
*社会的なつまずきは、貧困や精神的な不安定さ、認知症など。支援基盤が脆弱なところに多く存在しています。
と、同時に、行政と地域包括支援センターとの受委託関係や、高齢者虐待防止法のあいまいさの課題、高齢者虐待対応する職員の人数や業務量、立場の課題など。
ひとつの行政や地域包括支援センターだけでは解決が困難な問題も、実は、対応をスムーズに行うことの障壁のひとつになっていることも分かってきました。
今回のアンケート調査で、個別事例から派生する課題と構造的な課題を分類整理してそれぞれの解決策を検討して、より効果的な対応方法を見いだすきっかけになったらと考えています。
0 件のコメント:
コメントを投稿